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2009年12月 3日 (木)

初瀬街道・六軒追分へ

「初瀬(はせ)街道」も今回にて最終章です。

3週間前にようやく越えた青山峠でしたが、
残すは伊勢街道との分岐になる六軒追分までの約6里ほど、
感触が冷めないうちにと歩いてきました。

Hase001
スタートは前回終わった「白山郷土資料館」前。

歩き始めてから「二本木宿」までは見どころは何もありません。
というより、この初瀬街道はお地蔵さんと常夜灯をたどって
歩くようなそんな街道です。

Hase002
この最終区間もほとんどが常夜灯をたどることになり、
あまり見るべきものがありません。

歩き始めて30分ほどで二本木宿に入ります。

Hase003_2 
街道の雰囲気を残す狭い道と、
道沿いの建物がわずかに昔のたたずまいを残し
かっての宿場町の面影を偲ばせます。

「二本木宿」を出ると街道は雲出川沿いの道を行きます。

Hase004
通る堤防は「亀ケ広桜並木」。

当時大村の人が旅人の心を癒すために、
雲出川の眺めのよい場所にと吉野桜を植えたそうです。

並行するようにもみじの木が植えられた「亀ケ広里山」、
いずれは大きな木となって紅葉の名所になるのでしょう。

Hase005
川に沿って道はさらに続きます。

Hase006
10分ほど歩くと見えた、色づくもみじの木の下です。

Hase007
巨岩に刻まれた磨崖仏、
道中安全を祈る「笠着地蔵(かさつきじぞう)」だそうです。

「笠着き」または「逆着き」とも呼ばれるそうですが、
道を挟んだ川の中

Hase008
こちらも巨岩に掘られた地蔵、
そして左に回り込むと見える石の下にある「逆さ地蔵」です。

Hase009 
安政の大地震で道路脇の巨岩が二つに割れて転げ落ち、
刻まれていた地蔵が逆さまになったという・・・。

かって何度も行ったゴルフ場の入り口の傍でしたが^^;
全然気が付きませんでした。><

ここからまた見どころのない道歩きが続きます。
一志町伊関に入って「大仰宿」、「田尻宿」そして「八太宿」と
通り過ぎて行きますが、
あるのは常夜灯と道標、地蔵堂ばかりです。^^

Hase010
途中で目にするこうした案内板は旅する者にはうれしいもの、
土地の方たちに感謝しい現代のよき道しるべです。

道はいつしか嬉野町小川に入って行きます。

Hase011
街道沿いにある道標、
「斎宮御道蹟 忘井 従是 右凡二丁 左参宮道」。
街道歩きであまり寄り道をしたことはないんですが、寄りました^^

道しるべに導かれ・・・迷いながら着いた「忘井」です。

Hase012

” わかれゆく 都のかたの恋しきに 
                いざ結び見む 忘れ井の水 ”

天永元年(1110)に、斎王・恂子内親王(恂は女へんですが
なぜか辞書にない?)が伊勢へ群行の途中、
この地で井水を求められ、自分の気持ちを鎮めながら
二度と都の方を振り返ることなく一首詠まれ、
「忘れ井」と名付けられたと伝えられる。 (解説版から要約)
とまぁ、見どころもない街道でチョット立ち寄りました。

ここからすぐに集落を抜けて出たところ。

Hase013
なんと、近鉄大阪線と名古屋線が分岐する場所です!
現在工事中ですが、いつもは電車の中から見ています。
街道がこんなところを通っていたとは?驚きでした。

旧道は鉄橋の傍を直進しますが道がなく迂回しています。
しばし位置を確かめながら電車を何本か見送ります。

このあとはひたすら六軒めざして歩くのみ。
中川を過ぎて権現前、近鉄中原駅を過ぎて最後の迂回路で
三渡川を渡ります。

Hase014
左に折れて川沿いを行けば、
初瀬街道の終点、いや起点です。(伊勢からは初瀬街道、
大和からは青越え伊勢街道とも呼ばれます)

Hase015
「三渡橋」の袂に立つ追分の道標、
こちらからは「いがごへ追分 右 いせみち」。

   Hase016 Hase017_2 
反対側は「やまとめぐりかうや道」。
そして伊勢街道を挟んである常夜灯です。

道を南にとれば「市場庄」の宿。

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” 明日はおたちか お名残り惜しゆや 六軒茶屋まで送りませう
 六軒茶屋のまがりとで 紅葉のやうな手をついて・・・♪ ”と、
「道中伊勢音頭別れの歌」に唄われた六軒茶屋。
「市場庄」にはその宿場の様子が今も残され、保存されています。

大阪の玉造から暗越奈良街道、上ツ道、初瀬街道と
歩きつないできました伊勢参宮道、
少し時間はかかりましたがこれにて全行程の終了です。

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