上ツ道から初瀬街道
奈良街道から伊勢街道を繋ぐため奈良から榛原までを歩く。
道は奈良猿沢の池から天理上ツ道を通り初瀬街道へ、
榛原の伊勢表街道と、本街道の追分までの約30キロ。
「ならまち」を抜けて桜井の三輪までひたすら南下する単調な道だが、
今日の目的はもう一つ、途中の芭蕉句碑を拾って行くこと。
街道沿いに三つの句碑がある。これも楽しみなのである。9時に近鉄奈良駅を出て、
三条通りから猿沢池へ。
二つの常夜灯をみて「ならまち」に入り、
観光化された古い町中を抜けていく。
京終(きょうばて)駅を見て道は
JR桜井線と平行し南下する。途中の帯解寺は
祈願の夫婦と親たちで凄い賑わい。
日曜日でもあり当たり前かもしれないが、
いつの世も子どもを授かりたいと思う
親の気持ちがよく分かる。
櫟本に入り西名阪をくぐると左手に在原神社がある。
境内に芭蕉句碑
「うくひすを魂にねむるか嬌柳(たうやなぎ)」がある。
ここから丹波市町を過ぎ、
三昧田町に入ると藤棚のある小公園に 「草臥れて宿かるころや藤の花」の句碑が建つ。
貞享5年(1688)笈の小文での吟。
句碑を見ながら昼食にする。
道は一度東に進むが国道を渡り再び南下する。
柳本、纏向、と行きJRと国道を跨ぐと箸中から芝に入る。
大三輪中学校先から東へ、右、左と折れていき、
大三輪神社の大鳥居をみて参道を横断する。
細い街道をなお折れていくと大和川に出る。
ここから道は初瀬街道に入る。
道は三輪山を巻くように東に進み、朝倉、脇本、黒崎、
出雲の集落を抜けて初瀬に入る。
長谷寺の参道を進み、左に針へのバイパスを分ける手前に
「右 いせ 」の道標がある。
道はそこから大きくS字に阪を登るが、
バイパス先の崇連寺にある芭蕉句碑を見に寄る。
門前に小さな
「芭蕉翁こもり塚 春の夜やこもり人床し堂の隅」が建つ。
街道に戻り国道に出ると、
ここから西峠までのだらだら阪の登りが続く。 暑さもあったがこれはかなりこたえた。
ようよう登りきり短い坂を下る。
国道と旧道を交互に行きながら最後の
上町商店街を抜けると近鉄大阪線の
ガード手前で道標の建つ追分に出る。
16:30 榛原に着く。
何も見るところがない道筋だが、
初めから終りまで格子造り、大和造りなど
古い町家の残る集落が続き、
こちらの見所は充分で楽しい街道歩きができる。
さて、この後は?
左にとれば伊勢表街道(初瀬街道 阿保越え)。
右にとれば伊勢本街道(高井から飯南まで、山中を行く峠越え)。
しばらくはまたどうするか楽しみができた。
詳細=上ツ道から初瀬街道
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