桑名の芭蕉句碑
貞享元年の「野ざらし紀行」の途中、
芭蕉は桑名で二句詠んでいる。
ともに名句で知られているが、
桑名には他にも多くの句碑がある。
ぶらっと見て廻るにはちと遠いところもあるが、
桑名市内だけなら手軽なハイキング気分で歩いて廻れる。
北寺町「本統寺」山門を入った左手池の先に建つ
「冬牡丹句碑」。
句は
冬牡丹千鳥よ雪のほととぎす はせお
ここから堤防に出て南下し、
国道23号線をくぐった少し先の地蔵にある「龍福寺」、
通称「浜の地蔵」に白魚の句碑がある。
昭和34年の伊勢湾台風ですべて流失したため、
再建された6基の句碑、塚、碑などが建つ。
芭蕉句碑は2基。白魚句碑と、
初案句碑がある。
白魚句碑は
明ぼのやしら魚白きこと一寸
初案句碑は
雪薄し白魚しろき事一寸
左に木因の
白うをに身を驚な若翁
戻って東鍋屋町の「本願寺」跡へ。
旧東海道に接する場所ではあるが、
門跡の形跡すらないところで
見過ごすので注意。
ここには芭蕉門弟各務支考の
鑑塔があり
ともに芭蕉の句碑がある。
句は
今日斗り(ばかり)人も年よれ初時雨
元禄五年の吟。
桑名市内から長島町西外面へ。
元禄二年奥の細道から戻り、
伊勢に向う途中曽良と逗留した大智院境内。
院入口には「芭蕉翁信宿処碑」、
山門を入って左に句碑。
句は
うきわれをさびしがらせよ秋の寺
元禄二年の吟。
元禄四年嵯峨日記には
(うき我をさびしがらせよかんこどり)
あとは多度町多度神社へ。
神社境内の宝仏殿先右手に句碑がある。
碑の前面は「芭蕉翁」。裏面に
宮人よ我名を散らせ落葉川
(宮守よわがなをちらせ木葉川)
貞享元年吟。
周辺の木曽岬町にも二基の句碑がある。
外平喜「了清寺」の句碑。
本堂手前左に隠れたように句碑がある。
句は 永き日を囀りたらぬ雲雀かな
貞享四年吟。
同じ木曽岬町和泉の「源盛院」。
山門を入ってすぐ右に句碑がある。
「芭蕉翁」と刻まれた碑の左側面に、
青柳の泥にしたたる汐いかな
元禄七年吟 の句が刻まれています。
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